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法人税の納税地及び納税義務者

H30.4.1現在の法令・通達の解説です

納税地及び納税義務者

法人税の納税義務者に関する規定としましては、

(法4条)法人は、法人税法の定めるところにより、法人税を納めなければならない。

(法3条)法人税の納税義務者は、法人であるが、人格のない社団等(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。)も法人とみなされる。

法人は、各事業年度の終了により、あるいは解散によって消滅することにより、税法の定める要件に従ってこの義務が具体化され、その具体的に確定した税額を納付する義務を負います。

次に納税地に関する規定としまして、

(法16条)納税地は納税者が税法の定めるところにより、その義務を履行するとともに権利の行使をする基準となる場所であるが、法人の法人税の納税地は、その本店又は主たる事務所の所在地である。

(法18条)法人の納税地が、その法人の事業又は資産の状況からみて、法人税の納税地として不適当であると認められる場合には、その納税地の所轄国税局長は、その法人税の納税地を指定することができる。

 

以下、法人税の基本通達です。

法人でない社団の範囲)

1-1-1 法第2条第8号《人格のない社団等の意義》に規定する「法人でない社団」とは、多数の者が一定の目的を達成するために結合した団体のうち法人格を有しないもので、単なる個人の集合体でなく、団体としての組織を有して統一された意志の下にその構成員の個性を超越して活動を行うものをいい、次に掲げるようなものは、これに含まれない。(昭56年直法2-16「二」、「六」により改正)

(1) 民法第667条《組合契約》の規定による組合

(2) 商法第535条《匿名組合契約》の規定による匿名組合

解説⇒PTA、町内会やマンション管理組合等は法人格がありませんが、この規定により法人税の適用対象となります。そのため、このような団体が収益事業を行った場合にはその利益が課税対象とされます。団体を維持するための会費収入は課税の対象とはなりません。

 

(法人でない財団の範囲)

1-1-2 法第2条第8号《人格のない社団等の意義》に規定する「法人でない財団」とは、一定の目的を達成するために出えんされた財産の集合体で特定の個人又は法人の所有に属さないで、一定の組織による統一された意志の下にその出えん者の意図を実現すべく独立して活動を行うもののうち法人格のないものをいう。(昭56年直法2-16「二」、「六」により改正)

解説⇒人の集まりである社団に対し、こちらは財産の集合体である財団を対象としております。

 

(人格のない社団等についての代表者又は管理人の定め)

1-1-3 法人でない社団又は財団について代表者又は管理人の定めがあるとは、当該社団又は財団の定款、寄附行為、規約等によって代表者又は管理人が定められている場合のほか、当該社団又は財団の業務に係る契約を締結し、その金銭、物品等を管理する等の業務を主宰する者が事実上あることをいうものとする。したがって、法人でない社団又は財団で収益事業を行うものには、代表者又は管理人の定めのないものは通常あり得ないことに留意する。(昭56年直法2-16「二」、「六」により改正)

解説⇒収益事業を行うような団体であれば、その事業の責任者又は管理する者が当然いるはずですよねということを念押しされています。

 

(人格のない社団等の本店又は主たる事務所の所在地)

1-1-4 人格のない社団等の本店又は主たる事務所の所在地は、次に掲げる場合に応じ、次による。(昭56年直法2-16「二」により改正)

(1) 定款、寄附行為、規則又は規約(以下1-1-4において「定款等」という。)に本店又は主たる事務所の所在地の定めがある場合 その定款等に定められている所在地

(2) (1)以外の場合 その事業の本拠として代表者又は管理人が駐在し、当該人格のない社団等の行う業務が企画され経理が総括されている場所(当該場所が転々と移転する場合には、代表者又は管理人の住所)

解説⇒株式会社等の会社法に規定されている通常の法人であれば、本店所在地を登記します。通常はこの本店所在地が法人税の納税地となります。一方、人格のない社団等は登記がないので、納税地を確定させるための規定となります。

 

(被合併法人の法人税に係る納税地)

1-1-5 法人が合併した場合において、当該合併に係る被合併法人のその合併の日以後における法人税の納税地は、当該合併に係る合併法人の納税地によるのであるから留意する。ただし、合併に係る被合併法人が連結親法人以外の法人(その合併の日が連結親法人事業年度開始の日となる連結子法人を除く。)であり、かつ、合併法人が連結子法人である場合には、当該合併法人が連結申告法人でないものとしたときの当該合併法人の納税地となる。(平15年課法2-7「二」により改正)

(注)

1 その合併の日が連結親法人事業年度開始の日となる連結子法人の場合には、当該連結子法人は連結申告法人に該当し、その納税地は連結親法人の納税地となる。

2 合併に係る被合併法人が連結子法人である場合において、当該合併の日の前日の属する事業年度前に連結事業年度があるときの当該連結事業年度の連結申告に係る法人税の納税地は、本文の取扱いにかかわらず、その連結申告に係る連結親法人の納税地となる。

1-1-6 削除(昭55年直法2-8「二」により追加、昭56年直法2-16「二」、平20年課法2-5「ニ」により改正、平22年課法2-1「二」により削除)
 

(清算結了の登記をした法人の納税義務等)

1-1-7 法人が清算結了の登記をした場合においても、その清算の結了は実質的に判定すべきものであるから、当該法人は、各事業年度の所得に対する法人税を納める義務を履行するまではなお存続するものとする。
 当該法人が各連結事業年度の連結所得に対する法人税を納める義務(法第81条の28第1項《連結子法人の連帯納付の責任》の連帯納付の責任を含む。)を有する場合も、同様とする。(昭55年直法2-8「二」、昭56年直法2-16「二」、平15年課法2-7「二」、平22年課法2-1「二」により改正)

解説⇒法人は解散をしても法人格を失いません。清算が結了するまでは、なおその法人格が残ります。清算が決了した場合には登記がなされ、外形的には法人格を失うことになります。ただし、清算事務が残っている時は、たとえ清算結了の登記が行われた後であっても、なお会社は存続するというのが学説・判例の考え方です。ここでは、法人税を納めるまでは法人格が残りますよと言っている訳ですね。

 

(非営利型法人における特別の利益の意義)

1-1-8 令第3条第1項第3号及び第2項第6号《非営利型法人の範囲》に規定する「特別の利益を与えること」とは、例えば、次に掲げるような経済的利益の供与又は金銭その他の資産の交付で、社会通念上不相当なものをいう。(平20年課法2-5「ニ」により追加)

(1) 法人が、特定の個人又は団体に対し、その所有する土地、建物その他の資産を無償又は通常よりも低い賃貸料で貸し付けていること。

(2) 法人が、特定の個人又は団体に対し、無利息又は通常よりも低い利率で金銭を貸し付けていること。

(3) 法人が、特定の個人又は団体に対し、その所有する資産を無償又は通常よりも低い対価で譲渡していること。

(4) 法人が、特定の個人又は団体から通常よりも高い賃借料により土地、建物その他の資産を賃借していること又は通常よりも高い利率により金銭を借り受けていること。

(5) 法人が、特定の個人又は団体の所有する資産を通常よりも高い対価で譲り受けていること又は法人の事業の用に供すると認められない資産を取得していること。

(6) 法人が、特定の個人に対し、過大な給与等を支給していること。

 なお、「特別の利益を与えること」には、収益事業に限らず、収益事業以外の事業において行われる経済的利益の供与又は金銭その他の資産の交付が含まれることに留意する。

解説⇒社団・財団のうち非営利型法人は収益事業を行う場合のその収益事業から生じた所得に対して法人税が課税されます。この非営利型法人に該当するかどうかを判断する要素として「特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと」という要件があります。この特別の利益を与えることの具体的な内容を例示を行っているのがこの通達になります。
 

(特別の利益に係る要件を欠くこととなった場合)

1-1-9 令第3条第1項第3号《非営利型法人の範囲》に規定する要件を欠くことにより普通法人に該当することとなった一般社団法人又は一般財団法人は、その該当することとなった日の属する事業年度以後の事業年度において同号の要件を満たすことはないことから、再び同項に規定する非営利型法人に該当することはないことに留意する。
 同条第2項第6号に規定する要件を欠くことにより普通法人に該当することとなった一般社団法人又は一般財団法人についても、同様とする。(平20年課法2-5「二」により追加、平21年課法2-5「二」により改正)

解説⇒非営利型法人の要件のひとつに「定款の定めに反する行為を行うことを決定し、又は行ったことがないこと」と規定されていますので、一度でも定款違反行為を行った場合には再び非営利型法人に該当することはありません。

 

(主たる事業の判定)

1-1-10 令第3条第2項第3号《非営利型法人の範囲》に規定する「主たる事業として収益事業を行つていない」場合に該当するかどうかは、原則として、その法人が主たる事業として収益事業を行うことが常態となっていないかどうかにより判定する。この場合において、主たる事業であるかどうかは、法人の事業の態様に応じて、例えば収入金額や費用の金額等の合理的と認められる指標(以下1-1-10において「合理的指標」という。)を総合的に勘案し、当該合理的指標による収益事業以外の事業の割合がおおむね50%を超えるかどうかにより判定することとなる。
 ただし、その法人の行う事業の内容に変更があるなど、収益事業の割合と収益事業以外の事業の割合の比に大きな変動を生ずる場合を除き、当該事業年度の前事業年度における合理的指標による収益事業以外の事業の割合がおおむね50%を超えるときには、その法人は、当該事業年度の開始の日において「主たる事業として収益事業を行つていない」場合に該当しているものと判定して差し支えない。(平20年課法2-5「二」により追加)

(注) 本文後段の判定を行った結果、収益事業以外の事業の割合がおおむね50%を超えないとしても、そのことのみをもって「主たる事業として収益事業を行つていない」場合に該当しないことにはならないことに留意する。

解説⇒公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律にて公益認定の基準として「公益目的事業比率が50%以上となると見込まれるものであること」という規定があることから、50%を判断基準としています。

 

(収益事業を行っていないことの判定)

1-1-11 一般社団法人又は一般財団法人(公益社団法人又は公益財団法人を除く。以下1-1-11において「一般社団法人等」という。)が、事務処理の受託の性質を有する業務を行う場合において、当該業務が法令の規定、行政官庁の指導又は当該業務に関する規則、規約若しくは契約に基づき実費弁償(その委託により委託者から受ける金額が当該業務のために必要な費用の額を超えないことをいう。)により行われるものであり、かつ、そのことにつきあらかじめ一定の期間(おおむね5年以内の期間とする。)を限って所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては、所轄国税局長)の確認を受けたときは、その確認を受けた期間については、当該業務は、その委託者の計算に係るものとし、当該一般社団法人等の収益事業としないものとして令第3条第2項第3号《非営利型法人の範囲》の要件に該当するかどうかの判定を行うこととする。(平21年課法2-5「二」により追加)

解説⇒仮に収益事業を行っていたとしても、それが実費弁償方式によっている場合には「収益事業を行っている」とは判定しませんということが明らかにされています。

 

(理事の親族等の割合に係る要件の判定)

1-1-12 令第3条第1項第4号及び第2項第7号《非営利型法人の範囲》に規定する要件に該当するかどうかの判定は、原則として、判定される時の現況によることに留意する。
 ただし、例えば、非営利型法人が理事の退任に基因して当該要件に該当しなくなった場合において、当該該当しなくなった時から相当の期間内に理事の変更を行う等により、再度当該要件に該当していると認められるときには、継続して当該要件に該当しているものと取り扱って差し支えない。(平20年課法2-5「二」により追加、平21年課法2-5「二」により改正)


解説⇒ここでの「相当の期間内」とはおおむね3~4か月程度が想定されています。

 

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